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磁針 -コラム-

”磁針”は日刊紙”羅府新報”に掲載されるコラムです。

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[86] 小沢征爾  2011/03/22 15:44:41
掲載日:01/16/2001  E-Mail  Home
 指揮者の小沢征爾氏が斎藤記念オーケストラを率いてセリトス・パフォーミングアートセンターで演奏した。曲目はマーラーの交響曲第九番。

 拍手に迎えられて指揮台に立った小沢は場内が静まると一呼吸置いて演奏に入っていった。小沢の指先から繊細な音がつむぎ出され、やがて彼の全身が激しく動き始めるとバイオリンやビオラ、チェロに管楽器、打楽器が重なり、全オーケストラがぴったりと呼応する。特に第4楽章は圧巻だった。小沢の激しい動きに弦の奏者が一体となって揺れ動き、音は高く低く歌うように、うなるように、うねりとなって聴衆の体の底まで響いてくる。最終楽章を振り終わり、静かに、静かに、静かに…音が消えていった。小沢の指先は音が消え去ってなお人の耳には聞こえない音を追いながらすべての感情を収束するかのように降りてゆく。場内がまったくの静寂に包まれ、小沢が姿勢を正すと嵐のような拍手に包まれた。

 桐朋音楽学院を卒業し、世界に大きくはばたいた小沢氏は、28年間のボストン・フィルハーモニーから来年はウィーンの国立歌劇場の音楽監督に就任する。彼の恩師にちなんだ斎藤記念オーケストラを結成したのが1984年、1992年から長野県松本市で斎藤記念フェスティバルを毎年開いている。

 世界各地で活躍する桐朋音楽学院出身の一流の音楽家達が一堂に集まり小沢の指揮を受けることでどれだけお互いに刺激しあうか、このフェスティバルがどれだけ日本の音楽レベルを高めるか計り知れない。2000年には小沢音楽塾を開設し、後進の育成に一段と比重を掛けているようだ。

 ある街ではクラシック音楽を朝夕に流すことにより犯罪率が激減したという。人間は生産し食べることのみの経済活動に、歌・音楽・絵など芸術活動を加えることで他の動物とは違った「文化」を持つようになった。小沢氏の後進育成の成果が更に多くの優秀な音楽家を世界に送り出すとすれば、海外に住む我々日本人にとってとりわけうれしいことである。
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