Wakao & Associates, Inc.
| HOME | SITEMAP | CONTACT US |    
NEWSProfileData LibraryPersonal Activityblank


Personal Activity
磁針 コラム
JACAL会
シーホースクラブ
JOVA
オーロラファンデーション

 年代別
 Generation distinction

日米・地域のWA

磁針 -コラム-

”磁針”は日刊紙”羅府新報”に掲載されるコラムです。

 記事題名表示本文一覧表示

スレッド表示

[68] 散歩道のできごと  2011/03/22 15:35:38
掲載日:09/17/1999  E-Mail  Home
 ここロスアンゼルスは四季の区別が無いように思われるが、時がくればポピーが咲き、ジャカランダが人を楽しませ、ラベンダーが紫色の花をつけてくれる。今は葉の無い薄いピンクのゆりのような花があちこちの庭や道端から顔を覗かせている。近くの住宅街は大きなユーカリの木が茂りまるで森のようだ。

 ある朝、その散歩道に見なれないものを見つけた。石ころで円を作り、真中に板を立てかけ、板には紙が張ってある。石で作ったサークルの中にはその辺から手折った草花が供えられている。板の上の紙にはこのように書いてあった。

 「この場所にて今朝6時半、一人のお年寄りが死んでいるのが発見されました。
 彼の名前はまだお知らせすることは出来ません。彼が心臓麻痺に見舞われたとき、彼は毎朝楽しみのジョギングを行っていたようです。救急車が到着したときは既に蘇生術を施すには遅すぎました。彼のため、ご家族のため、彼のお友達のために心からの祈りを捧げます。

 この文を読まれた方は、ご自分が、毎日を、毎時間を、毎分を、毎瞬間を生きていることに感謝されることでしょう。あなたの周りの人々、出会う人々を自らの喜びと考え、大切にしましょう。私たちは精一杯生きていることに幸せを感じて人生を過ごすべきではないでしょうか。」

 翌週そこを通りかかると、周りには花が増え、家族が置いたのだろうか、故人の写真が飾ってあった。3人の孫娘に囲まれ頬にキスを受けている幸せそうな老人が写っていた。

 毎朝ジョギングを楽しむうちに突然の心臓麻痺、何時かは迎える死を寝込むことなしに一瞬のうちに迎えたこの人は幸せだったのかもしれない。それにも増して心に響いたのは、倒れた人を見つけて救急車を呼び、現場に石ころを並べ、事実と弔意を表す文章を残した人の思いやりだった。
[削除] [編集]  


Copy Rights 2002 WAKAO & ASSOCIATES All rights reserved. wakao@wakao.com