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磁針 -コラム-

”磁針”は日刊紙”羅府新報”に掲載されるコラムです。

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[64] 民族紛争  2011/03/22 15:31:39
掲載日:05/19/1999  E-Mail  Home
 数年前、空港から乗ったタクシーの運転手がアルバニア人だった。在米10数年、子供達が大学を卒業し一人前になると自分は国へ帰るという。アメリカの方が暮らし易くはないかという問いに「俺は祖国を愛している。祖国が一番さ。」アメリカへの忠誠については「祖国を愛せないものがどうして第2の祖国のアメリカを愛することができるのだ。」と答える。

 ユーゴのアルバニア人、現在の人口300万人。1915年、民族浄化で多くの人達が虐殺され難民は世界中に散って拡散した。当時60%の人達がいなくなったというからすざまじい。

 アメリカとソ連の冷戦構造が終結したとき、世界の人々はこれで平和が訪れると喜んだ。ところが冷戦構造の終結は世界の各地に軍事的真空地帯を生み、周辺各国はその真空を埋めようとして軍事拡張する。今まで2大勢力の狭間で押さえられていた民族感情は冷戦終結と共に各地で噴出した。冷戦時代はアフガニスタンでもアフリカでもキューバでも、紛争が起これば両勢力から直ちに介入が行われ世界の耳目を集めた。今では世界各地の紛争は単なる地域紛争でしかなく、アメリカ国民はあまり関心を持たない。冷戦終結とともにかえって紛争が頻発している構造がここにある。

 元来「自民族が他民族に支配されるのはどんなに条件が良くても我慢できない」といわれる。いまはユーゴ軍がアルバニア人に迫害を加えているが勢力関係が変わればアルバニア人がセルビア人に対して同じ事をするだろう。何百年、何千年の間に培われた民族同士の憎しみは他民族には理解できない。まして昔から欧州の火薬庫といわれたバルカン半島である。複雑に民族と宗教、周辺国との政治勢力が絡み合っている。

 テレビのインタビューに答える難民女性の言葉が印象的だった。「私は涙を見せない。涙を流すことは彼らを喜ばせるだけだから」。苦しみに耐え、悲しみを内に包み、親は子に彼らの仕打ちを憎しみを伝えるだろう。子は復讐の念を持って育つだろう。このような環境で人道主義的な介入がどこまで効を奏するのだろうか。
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