Wakao & Associates, Inc.
| HOME | SITEMAP | CONTACT US |    
NEWSProfileData LibraryPersonal Activityblank


Personal Activity
磁針 コラム
JACAL会
シーホースクラブ
JOVA
オーロラファンデーション

 年代別
 Generation distinction

日米・地域のWA

磁針 -コラム-

”磁針”は日刊紙”羅府新報”に掲載されるコラムです。

 記事題名表示本文一覧表示

スレッド表示

[56] ハワイにて  2011/03/22 15:25:54
掲載日:11/18/1998  E-Mail  Home
 甥の結婚式でハワイに来ている。ワイキキの浜辺を一望する岬の先端、ジョーン・ドミニス・チャペル・バイ・ザ・シー。両家の親族一同が左右に居並ぶ中、純白の衣装に包まれた花嫁が父親に導かれて入場、荘重なオルガンとともに美しい澄み切った賛美歌が流れる。眼の前は紺碧の海、白波が長く尾を引いて、サーファーが巧みに波頭に乗っている。左手は波際まで立ち並ぶホテル群と白い砂浜、その向こうにそびえるダイヤモンド・ヘッド。室内には陽光が降り注ぎ、正にこの世の天国かとも思うほどの明るさ、清らかさ、美しさだ。

 柔和な顔の神父さんは英語に日本語を混ぜながら巧みに式を進行する。参加者にもにこやかに声をかけ、神父というよりセールスマンの感じだ。会場の説明、進行係り、カメラマン、ビデオ、リムジンサービスが一体となって流れるように式を進めてゆく。完全に商品化された見事なパック挙式。

 幕末の頃、単船日本人でアメリカ渡航を果たした咸臨丸は帰路ハワイに寄港した。市内を歩いた勝海舟は「この国ももう長くないねえ。気候は穏やかで作物もふんだんに取れるが、牢屋を見たかえ。入っているのは土民ばかり。港の荷役で鞭打たれているのは現地人で、アメリカ人はみんな王侯貴族のような生活をしているじゃないか。放っておいたら日本もこのようになってしまうよ。」と言っている。

 カリブ海では砂糖が採れたばかりに現地人は奴隷として酷使され、抵抗と反乱の内に絶滅された。天然に恵まれたがために現地人の悲劇は世界の至る所に見られる。

 いま、南海の楽園ハワイには日本人だけでも毎日7〜8千人が訪れるという。島に残るのは自然と共生し、神を敬い、天然の幸に感謝し、愛の歓びを歌う優美な踊りを観光客に披露する踊り子とエキゾチックな味付けを地名や踊りの名前に残すだけである。

 チャペル内に響き渡る天使のようなハワイの結婚讃歌を聞きながら、こんなことを考えていた。
[削除] [編集]  


Copy Rights 2002 WAKAO & ASSOCIATES All rights reserved. wakao@wakao.com