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磁針 -コラム-

”磁針”は日刊紙”羅府新報”に掲載されるコラムです。

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[44] 流木に思う  2011/03/22 15:16:34
掲載日:03/10/1998  E-Mail  Home
 久し振りに朝早くビーチに散歩に来た。心を吸い込まれるような青い空、南カリフォルニアはやはり燦燦と照る太陽が似合う。

 ビーチに着いて驚いた。あちこちがかなり様変わりしている。なだらかな砂浜が削り取られ、排水溝のあるところは深く抉れている。テレビではエルニーニョによる洪水の模様を盛んに放送していたが、ビーチがこんなにも様変わりしているとは知らなかった。仕事上の忙しさにかまけ、「昨日も雨、今日も雨、うっとうしいなあ」くらいにしか思っていなかった。

 浜辺に出て2度びっくり。なんと至る所に流木の群れ、大きな木が、竹のような植物が根っこごと流れ着いている。そうか、マリブ辺りで土砂崩れがあり、これらの木々が流れてきたのに違いない。

 流木は新しい木も古い木もある。新しいものもここへたどり着くまでに波にもまれ、砂に磨かれてきたのだろう。痛々しかったに違いない枝や幹の裂け口は削られ磨かれ丸みを帯びてなんとも言えない流木特有の味のある形になっている。嵐のあった後、浜辺には材料を求めてこのような流木を探しに来る芸術家達を見かけるという。

 水際をジョギングする人、椅子を持ち出して海を眺める人、サーフィンに興じる若者達、空は抜けるように青く、波は穏やか、かもめは餌を求めて群れ飛んでいる。浜には荒々しい嵐の痕跡は残っているがまったくの日常に戻っている。累々と打ち上げられた流木のみが嵐の爪痕を物語っている。

 日本では今、官僚や大企業の汚職が暴かれ経済は停滞し企業倒産が相次いで失業率も急上昇中だ。新聞にはおしどり夫婦が会社の資金繰り難から揃って首を吊り、仲の良かった友人達3人がやはり資金繰りの行き詰まりから首を吊ったとある。日本にはいま大嵐が吹いている。社会制度が大きく揺らぎ、年功序列も終身雇用も高度成長も銀行は倒産しないという神話も根こそぎ崩れようとしている。

 しかし、大嵐の後には必ず新しい秩序と平穏な日常がやってくる。土砂崩れで家や車や木々が根こそぎ流されても、大量の土砂や岩石が海底に流れ込んでも、そこには必ず新しい海草が生え魚が住み着く。浜辺には人々が遊び、空にはかもめが飛ぶだろう。
日本の混乱も新しい社会秩序を形作るための一過程だと見ればもう少しの辛抱だ。今苦しさにあえいでいる人達に「もう少しです。頑張ってください。」と声援を送りたい。
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