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磁針 -コラム-

”磁針”は日刊紙”羅府新報”に掲載されるコラムです。

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[32] 祖国へ、熱き心を  2011/03/22 15:07:03
掲載日:06/17/1997  E-Mail  Home
 日本では、今国会に在外投票制度のための公職選挙法の改正案が与野党から提出された。両党案の大きな違いは、与党案が在外選挙の対象を当分の間比例代表に限るのに対し、野党案は小選挙区も認めることにある。しかし、残念なことに与野党案ともに投票登録者を帰国の意思を有する者に限っている。

 憲法ではすべての国民は法の下に平等と規定している。折角公職選挙法の違憲状態を解消すべく改正案が提出されたのに、投票者登録に差別を設けるのでは新たな違憲状態を作ることになる。どうして在外投票に帰国の意思を有する者との条件をつけなくてはいけないのだろうか。

 改正案では何も触れていないので単なる推測でしかないが、日本国内から見ると帰国の意思を有せず永住する者は日本国民ではなく、永住、すなわち国を棄てた者が国政に参加するなどおこがましいということらしい。

 日系引退者ホームの生みの親、和田勇さんを描いた本に「祖国へ熱き心を」という本がある。戦後初めて全米水泳選手権大会にやって来た古橋、橋爪選手達の日本選手団は、和田一家の献身的な世話により、試合には絶好のコンディションで臨み、次々と驚異的な世界記録を達成する。敗戦で打ちひしがれていた日本国民はこの朗報に狂喜し、精神的に立ち直るきっかけとなった。和田氏はその後水泳チームだけでなく日本の多くの運動チームの面倒をみ、東京オリンピックでは自費で南米諸国を駆け巡ってオリンピック委員を説得し、東京開催実現に大きな力を発揮した。

 和田氏の行動に一貫しているのは「私は日本が好きで好きでたまりません」という祖国への熱い思いである。文中、古橋、橋爪が勝ち、フジヤマの飛魚と報道されるや強制収容所から戻り、ジャップ、ジャップと馬鹿にされていた日系人が翌朝からジャパニーズと呼ばれるようになったと和田氏は繰り返している。海外に出ればどの民族でも母国の盛衰によって大きな影響を受ける。海外に長く住む人は、決して祖国を棄てたわけではない。たまたま働く場所が海外になり、仕事や生活の都合上永住権を取ったり市民権を取ったりしているだけである。むしろ、このような人達こそ日本を外から客観的に見ることができ、国際社会における日本の本当の姿を本国に伝えることが出来る。在外投票制度の実現が近づいた今、永住者を投票の対象に加える意味を考えたい。
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