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磁針 -コラム-

”磁針”は日刊紙”羅府新報”に掲載されるコラムです。

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[125] 吉田兄弟  2011/03/22 16:23:47
掲載日:10/25/2003  E-Mail  Home
 舞台の中央を割って左右対に設けられた演奏台、強烈なスポットライトに照らされて三味線の奏者が二人浮かび上がった。一人は頭を金茶に染めててっぺんを盛り上げ、もう一人は黒髪の頭をおかっぱ風に、白の着物に海老茶の袴、背後に4人のバンドを従える吉田兄弟のロスアンゼルス初公演を聴きに行った。

 津軽三味線・・・本州最北の地・青森県津軽地方に興ったこの三味線は「ぼさま」(坊様)の門付けから始まった。農家を巡り歩いてはその門に立ち、三味線を弾いて食物の恵みを乞う。北国の短い農期を厳しい労働に従事した人々は、ひと時の骨休めを夏のねぶた祭りで爆発させる。風雪に耐え戸外で演奏する三味線は、都会の室内楽器たる三味線とは異なり、大きな音を出さねばならない。そこから棹は太く、バチを胴に叩きつける独特の奏法が発達した。この三味線が広く愛されるようになると、祭りなどで三味線大会が行われるようになった。一人が工夫を凝らした奏法を披露すると次の者がさらに新しい技で挑戦する。曲に基本形はあるけれど、随所に独自の工夫を凝らし、即興性を競う。

 “そうだ!この形態はジャズに似ている”民衆の生活音楽からの発祥という点でも共通点がある。

 吉田兄弟の演奏台にも譜面台はなかった。ターン、トン、ターン、トンと単調な調子から始めるのは調弦のため。これを繰り返しながら弦の音合わせが済むと「ハッ」と気合を掛け、本曲に入っていく。

 津軽三味線の特徴はバチを胴に叩きつける力強さと、抑える指で糸を弾く奏法で紡ぎ出す軽妙さ・軽快さにある。左手は激しく太棹の上を動き、高音から低音まで変化がめまぐるしい。押えた指を弦に滑らせると独特の音を奏でて津軽三味線の味となる。兄が伝統的な音を、弟が現代的な音を使い作曲にも力が入ってきた。ドラムやベースギター、キーボードをバックにした彼らのパンチの効いた音楽は若者層にも受け入れられる。

 スタンディング・オーベイションに沸くステージで若さにはちきれんばかりの吉田兄弟に世界に通じる可能性をみた。
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